「家畜 それは遺伝子の共進化」という番組を見ました。
家畜として動物を飼い慣らすことがスタートしたのは、今からおよそ1万年前、場所は西アジアだったそうです。まずヤギだったそうです。
動物を家畜化できたのは人類の歴史の中で農耕と同じくらいの重要性があります。「狩猟と採取」の生活から「農耕と牧畜」に代わる転換点です。
番組のゲストだった麻布大学教授、菊水健史さんがこんなことを指摘していました。
- 人類のすごいところは、その当時、遺伝学の経験も優秀な個体と、藁に優秀な個体を交配させれば、より利便性の高い動物になっていくことを経験的に学んで、それを繰り返していくことで家畜の遺伝子を改変していくことをした。家畜は、人類最古の遺伝子改変の一つ。
食養生においても、私たちの先祖は経験によりたくさんの科学的にも適正な食生活を築いてきました。例えば、大豆を発酵させて食べること。それを米と組み合わせて食べてきたことです。
番組では、家畜の乳を人間が利用し始めたことで人間の遺伝子が乳糖耐性を持つことになるという、人間が家畜と一緒にいることで遺伝子が変わっていったことも紹介されていました。
この番組でびっくりだったのは「ヒトの家畜化」について。
要点は、家畜化によって変化したと考えられる器官は、受精後初期の段階で発現する「神経堤細胞」から形成されることが研究により分かってきています。家畜化が進むと「神経堤細胞」は減少します。そして器官ににも変化が現れます。
その器官とは
①色素細胞 メラニン ②歯や顎の骨など頭蓋骨 ③コルチゾールを作る副腎
注目されるのはこの3つ。
①メラニン色素が減り、白ピンクになる。例えば、豚、鶏、やぎ。野生種は、自然に中で敵にみつかりにくい色をしている。
②20万年前のホモサピエンスの頭蓋骨は、眉のあたりが出ている。それは男性ホルモンの一種「テストステロン」が多いことを示している。現代人は、眉のあたりはそれほど出ていない。それと同時にホルモンが減っていて、闘争心が弱まっていると考えられている。
③家畜化すると食物の心配が減り、コルチゾールの量が減ると考えられている。
・・・『コルチゾールの減少!』ということは、家畜化すると副腎疲労になりやすいのか?
遺伝子的に家畜化されて、戦う必要があまりなくなったのに、戦闘モードでいると副腎疲労になってしまうということか!!
日本語の『家畜』は、上下関係も含み、『畜生』という言葉からもわかるようにネガティブです。
番組では、『家畜化』のポジティブな点も挙げられていました。それも興味深いのですけど今日はここまで。