食養生コーチ 九楽佳Kulakaの    『たねの音』
〜心と身体の声に耳を澄ます〜
未分類

「高級な」の調味料は素材の味に勝ってしまうか?

最初に断言したいこと。それは、時短で美味しく食べるキーポイントは、本来の調味料を使うことです。調味料を使わない選択もありますが、今回は調味料について考えてみます。

『いわゆる「高級」な「美味しい」調味料を使うことで、素材ではなく調味料の美味しさに頼ってしまう気がするのであえて普段の調味料を使います。』

このような感想をお受けするのは今回2回目でした。私にはない視点なので、初めてこの感想をお聞きしたときは、そういうお考えの方もいるんだ!くらいでしたが、そうお考えの方がかなりいらっしゃるかも?と思いました。

調味料など

まず、今「高級」で括られる「調味料」の多くは「本来の」の手順で時間をかけて作られているということです。その場所に浮遊している菌や、天然の菌を入手して「菌の力」を借りて作られています。生き物なので、品質を一定に保つのは困難かもしれません。

化学技術を使って「天然醸造」に近い味を短時間で、安い材料を使って出してくれているのがよく目にするお醤油、お味噌、お酢、ウスターソース、ケチャップなどです。努力によって、安く手軽に調味料を使えることになりました。安くて品質が均一。これが大きな利点です。

一方、よくある調味料の特徴は、含まれる添加物が多種類であることが多いことです。これも化学の進歩といえます。安く早く、味の感じ方も調整されます。しかし、添加物はいいことだけではありません。解毒される必要があったり、腸でミネラル絡め取って体外に一緒に出ていってしまう物もあります。また味の感じ方が変わるので、塩や砂糖の量が多くても気にならなくなります。塩や砂糖は味を整える以外に、保存の役割も果たします。また素材がもつ味がわからなくなるので、季節外れで味の良くない野菜も区別がつかなくなります。

次は、調味料を素材の一つとして捉える視点です。

お料理の味の7割は素材の良し悪し。

誰が言い出したのかよくわかりませんが、よく聞くフレーズです。この場合、調味料を素材と考えれば、調味料が良ければ7割料理はベースとして美味しいです。

今度はお料理を、足し算として考えてみます。今の時代では普通になっている合成の調味料を1として、素材プラス調味料で味が2になるとします。1+1=2の関係です。ところが、もし昔ながらの時間と手間をかけた調味料を使うと1+1が2よりも大きくなる効果なのです。例えば鰹出汁をひいたとします(料理人の方がは「ひく」と言います)お鍋いっぱいの「だし」に入れる調味料はひとつまみの「自然塩」と小さじ1杯の「お醤油」かもしれません。その時の調味料は、その違いがとても大きくでます。もしお醤油が空気に触れて味が変わっていたらどうでしょう?・・・ガッカリです。

調味料は良くも悪くも、影響力が大きいのです。よっていい物を使うと効率よく、美味しくなるのです。他の素材が普通でも、少しの量で美味しく調理できる可能性が高いのです。

結局、突き詰めると美味しくなるものは欲しいけど、毎日使う物なので「贅沢」はできない、というのが着地点。

果たして、ついつい買ってしまう加工食品、コンビニお惣菜の量を考えると、それは「贅沢」でしょうか?清涼飲料水、お茶の類いをお店で買う場合、積み重なるその費用は「贅沢」ではないのでしょうか?

もし、「重ね煮」のようなとても簡単で時短でできる方法を身につけて、本来の調味料を使ってお料理できたら、コスパ最強だと私は考えているのです。食材から栄養が取れて、天然醸造の調味料はサプリみたいなものです。美味しくで将来の医療費を抑えてくれる可能性が高い。病気ではない「ご機嫌」でいられる自分の時間、これは宝です。

このように延々と書いてきましたが、私も『高級』調味料に切り替えるには時間をかけています。お醤油も2本使いでした。ドバドバ使うお料理には、気がひけるからです。

でも確実に、『高級』、言い換えれば『昔ながら』の調味料を使うようになりました。それに従って、調味料は少ない種類を使い切るようになりました。『昔ながら』は『本来の』調味料なんですよね。『本来のものに似せたもの』が主流になっていること。考えてみると奇妙です。

騙されたと思って、『昔ながら』の調味料で「重ね煮」を取り入れて欲しいです。そこから少しアレンジすると食生活を整えるのが簡単になります。すると体調が変わって、気持ちも変わって、いろんなことが『楽(ラク)』になります。

調味料にお金をかけることの効率の良さは、味の勝ち負けとは同じ土俵で語れない意味があるように思うのです。

ABOUT ME
アバター画像
九楽佳 Kulaka
PNTトレーナー。栄養と心はつながっています。両方を調えることで、やりたいことをガンガンできる人を増やします。巡りを良くして細胞から元気に! 芦屋三戸岡クリニック「食の養生」担当。陰陽調和の重ね煮師範。メディカルタイチのインストラクター。日本幼児いきいき育成協会講師。 合気道初段。スープと梅干しと干し柿作りが得意。