食養生コーチ 九楽佳Kulakaの    『たねの音』
〜心と身体の声に耳を澄ます〜
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プラネタリーヘルスと「まごわやさしい」

芦屋で「腸内環境セミナー」が開かれました。テーマは、『森と海と腸内細菌』。主催者は便移植で有名なルークス芦屋クリニック。5名の専門家の講義がありました日本での「プラネタリーヘルスケア」の牽引者である桐村里紗さんも講義されました。

 

桐村里紗さんの近著『腸と森の「土」を育てる』(光文社新書)を拝読していたので、どんな方なのが興味津々でした。1980年のお生まれ。ドクターであり、分子整合医学やバイオロジカル医療、終末期医療まで幅広く経験を積まれ、今は港区の株式会社の代表取締役。最先端をゆく女性のイメージでした。

「自分一人では健康になれない」。まず、新型ウィルスの蔓延でガラリと変わってしまった私たちの地球環境からのお話でした。地球環境も激変の最中にあり、温暖化の波をそのままにして「自分一人だけの健康」はあり得ない世の中にあることは、説得力がありました。

宇宙と私たちの身体が相似形であることの指摘は、「森」や植物の営みからなされました。植物のねっこが、土から栄養と摂ることと、私たちの腸が食べてものの栄養を吸収するのは同じこと。腸の表面は、植物の根っこと同じ仕事をしているのです。

根っこのそばには菌がいて、その菌が吸収を助けてくれたり、土の栄養バランスを整えます。まるで腸内細菌!!それを伺ってから、土がついた根っこの写真を見せていただき、私の視点が変わったのを感じました。整然とした畑と自然栽培の畑の写真も見比べました。「美しい耕作地」のイメージが一変しました。確かに畑に同じ作物がずらっと並ぶ姿は「モノカルチャー」です。生物多様性は考慮されない世界です。

ご著書の中で、世界の人々のエネルギー摂取量について見てみると、75%はたった12種類の作物と5種類の動物から摂取されていること指摘されています。・・・考えたこと、なかったです。モノカルチャーは、発展途上国の課題だと思っていました。

今年の春には、ソニーコンピューターサイエンス研究所の指導のもと、鳥取県米子市にあるサッカーチーム「ガイナーレ鳥取」も協力もえて協生農法の圃場を設けたそうです。やく100平方メートルの空き地でのスタート。自然の循環を大切にした場所なので、「毒キノコ」でも取らないで放っておくそうです。

プラネタリーヘルスにための食生活は、プラネタリーダイエットとされ1日の食事の目安も出されています。『プラネタリーダイエット』という言葉は、2019年2月にイギリスの医学雑誌ランセットが出した「ランセット委員会報告書」に登場。個人レベルでの健康的な食生活だけでなく「地球をヘルシーにする」ことにも役立つ食事法だそうです。プラントベースの食品を中心としながら、肉・魚・乳製品を食べてもOK。基本的にはプラントベースだけれど、動物性の食事も柔軟に選択するという「フレキシタリアン」の食事です。

2019年2月といえば、私が食育部門も講師を務める「芦屋三戸岡クリニック」の勉強会が始まった頃です。三戸岡英樹院長のもと、プラントベース、基本蒸し料理とスープである、陰陽調和の重ね煮中心の「食知識と調理法」を学ぶ会がスタートしました。基本的に、小麦なし、乳製品なし、卵・肉なし、油なしの「いんやん倶楽部」を作った梅﨑和子先生のお料理です。梅﨑先生は、栄養士でマクロビオティックの講師のご経験もあります。お子さんがアトピーを発症したことから、30年以上前からアレルギーに食事で対処していく研究と実践を重ねて来られました。

さて話は戻ります。

プラネタリーダイエットは、日本の伝統的な食事に近いです。「まごわやしい」というバランスの良い食事の覚え方がありますが、それはプラネタリーダイエットのお手本になると桐村さんは著書で書かれています。

「ま」・・・豆類

「ご」・・・ごまなどの種子類、ナッツ類

「わ」・・・ワカメなどの海藻類

「や」・・・野菜

「さ」・・・魚

「し」・・・しいたけなどのキノコ類

「い」・・・芋類

この食事は、腸内の土壌改良に最適だそうです!

今回は、豪華講師陣による超充実のセミナーでした。また別の機会にご紹介します。

芦屋でも講演会の、3日後に「芦屋三戸岡クリニック 食養生の会」がありました。コロナに配慮して少人数で実施しています。コロナ前は20人を超えたこともありました。

 

1年かけて「まごわやしい」が身体にどう影響するかと、各食材の扱い方など実践方法を学びます。いくら健康に良くても、何かと忙しい私たちの日常に活かせなければ絵に描いた餅です。時短で、単純な調理法で「まごわやさしい」を実践できるようになるお手伝いをしています。野菜・だし・オイルのソムリエを取得している私がお伝えしています。コロナ禍だったことで勉強会の開催ができませんでしたが、その時間を利用して分子栄養学の認定カウンセラーにもなりました。

今回のテーマは、「し」しいたけを代表とする「キノコ」でした。キノコの食物繊維は、コレステロールとの関わりが深いです。また椎茸やしめじ、キクラゲに多い「ビタミンD」についても解説しました。キノコからのビタミンDはD2です。体内で活性化するためには「マグネシウム」が必須となります。よって「まごわやさしい」の豆、ごま、野菜を摂ることが必要。一点集中の栄養素は「栄養」にはなりません。代謝しないということです。

収穫の秋は、油の季節でもあります。キノコは、意外にも体内の脂質と関わりが深いこともあり、オイルの解説もしました。今年収穫されたエゴマを皆さんの前で搾って味見していただきました。

ほんのちょっとしか採れません。貴重さにため息が出ます。

食養生の会 キノコ

やっぱり「まごわやさしい」の言葉は、よく出来ているなあと参加者の皆様と溜飲を下げて、会はお開きになりました。次は、12月第3週。年末の忙しい時期ですが、年末年始、体調が怪しくなった時の味方となる「玄米クリーム」の作り方を実演するほか、「芋」をスタートに、単純糖質、複合糖質といった「糖質」の掘り下げと食生活の応用について学んで参ります。お申し込みは、芦屋三戸岡クリニックまでお願いいたします。

 

 

ABOUT ME
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九楽佳 Kulaka
PNTトレーナー。栄養と心はつながっています。両方を調えることで、やりたいことをガンガンできる人を増やします。巡りを良くして細胞から元気に! 芦屋三戸岡クリニック「食の養生」担当。陰陽調和の重ね煮師範。メディカルタイチのインストラクター。日本幼児いきいき育成協会講師。 合気道初段。スープと梅干しと干し柿作りが得意。