茨城県、下館美術館で開催中の「皆川末子 布絵の世界展」に行ってきました。
着物を使った布の絵。キルティングの手法ですが、その迫力は絵画です。作品は想像以上に大きいサイズでした。等身大です。なぜならば絵の中の人物が「着物そのもの」を着ているからです。
ハサミを入れて切ってしまった布ですが、まるで着物を着ているようです。
その作品の一つに、「虹の芽が出る種」(2011年制作)がありました。
東日本大震災の年です。皆川さんが、福島県いわき市にすむ女性を想いながら作った作品です。
硬く握りしめた「拳」がゆっくり開き、手のひらから虹が出たのでした。
皆川さんの作品は、伝統的な着物を着ていますが、とても挑戦的な女性が描かれていました。肌の紅潮も濃やかに表現されていました。布は立体的で、写真ではわからない凸凹も魅力でした。
作品も素敵。布そのものも素敵。「素敵」という言葉は軽いのですが、両方にうっとりしたひとときでした。